◎軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘員(Getty Images)

スーダン軍政と激戦を繰り広げている準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が中部センナール州の軍政拠点への攻撃を開始し、6万人近くが避難を余儀なくされた。現地メディアが6月30日に報じた。

それによると、RSFの戦闘員は今週初めにセンナール州郊外の町に攻め込み、病院を占拠したり、商店を略奪したりしたという。

AP通信は関係者の話しとして、「自動小銃を搭載したピックアップトラックに乗ったRSFの戦闘員たちが首都ハルツームの南東約350キロに位置する集落で暴れまわった」と報じている。

死傷者が出たかどうかは不明だ。

RSFは29日の声明で、「センナール州中心部にある軍の主要施設、第17歩兵師団司令部を制圧した」と主張した。

地元メディアはRSFが軍の防衛線を突破したと報じている。

しかし、軍政の報道官は30日、「センナール州内にある軍施設は我々の管理下にある」と声明を出した。

それによると、30日朝の時点で戦闘が続いており、多くのRSF戦闘員が死亡したという。

軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡したと推定されている。

国連は2000年代初頭のダルフール紛争に匹敵する規模の大飢饉が迫っていると警告している。

ダルフール紛争の犠牲者は20万~30万人と推定されているが、正確な死者数は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

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