▽民兵組織「セレカ(Seleka)」から分裂したとみられる反政府勢力が家畜の盗難をめぐり、対立する集落を襲撃し、住民をナタや斧で殺害した。
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中央アフリカ共和国北部で正体不明の武装集団が集落を襲撃し、9人が死亡、700戸以上の家屋が焼失した。地元当局が25日、明らかにした。
それによると、民兵組織「セレカ(Seleka)」から分裂したとみられる反政府勢力が家畜の盗難をめぐり、対立する集落を襲撃し、住民をナタや斧で殺害したという。
この襲撃に関与したと主張する戦闘員は地元テレビ局のインタビューで、「我々の家畜を奪った者を抹殺した」と語った。
AP通信は攻撃を受けた集落の関係者の話しとして、「誰も家畜を奪っておらず、なぜ攻撃を受けたのか理解できない」と伝えている。
この関係者は政府を非難。「誰も我々を守ってくれない」と嘆いた。
中央政府の報道官は25日、APの取材に対し、「近いうちに声明を出す」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
カメルーンとチャドとの国境付近で活動する赤十字のボランティアは声明で、「攻撃受けた集落の住民は近くの町や村に避難している」と明らかにした。
中央アフリカ共和国はイスラム教徒で構成される民兵組織セレカが2013年にボジゼ(Francois Bozize)大統領を退陣に追い込んで以来、内戦状態にある。
この政変後、キリスト教徒で構成される民兵が反撃に転じ、多くのイスラム教徒が処刑された。
国連はMINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団)を派遣し治安維持任務に当たっているものの、現在も国土のおよそ3分の2がセレカや他の反政府勢力の支配下に置かれている。
中央アフリカ共和国は金やダイヤモンドなど、莫大な鉱物資源に恵まれているにもかかわらず、世界最貧国から抜け出せずにいる。セレカはしばしば外国企業による採掘調査を妨害し、その関係者を殺害してきた。