◎同国西部に展開するタンザニア軍の兵士が性的虐待と暴力に関与したとされる。
中央アフリカ共和国、国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団を歓迎する人々(Getty Images)

国連は9日、中央アフリカ共和国に駐留するMINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団)の兵士11人が性的搾取と虐待で告発されたと発表した。

MINUSCAによると、同国西部に展開するタンザニア軍の兵士が性的虐待と暴力に関与したという。

MINUSCAは声明の中で、「この疑惑を受け、現地に調査官を派遣。被害者とされる人物を特定し、話を聞いた」と述べている。

虐待に関与したとされるタンザニア兵11人は西部から別の基地に移り、兵舎で監視下に置かれているようだ。

MINUSCAは被害者の詳細を明らかにしていないが、メンタルケアを含む必要な支援を速やかに提供するとしている。

また、タンザニア駐留軍の指揮系統に問題があったことも確認され、調査が完了次第、指揮官を含む約60人が本国に戻る予定だ。

AP通信によると、被害者の中には未成年者もいるとされる。

中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。

現在、MINUSCAの兵士約1万7500人が治安維持任務に当たっているものの、国土のおよそ3分の2が反政府勢力の支配下に置かれている。

民兵組織「セレカ(Seleka)」が2013年に政権を奪取した際には多くのイスラム教徒が国外に逃亡したと推定されている。

その翌年にPKOが展開され、現在では1万7500人近くが治安維持任務に当たっている。国連は昨年11月にミッションの期間を1年延長した。

国連は中央アフリカ共和国と隣国コンゴを拠点とするPKO要員による児童レイプなどの性的虐待疑惑をめぐり、長い間スポットライトを浴びてきた。

グテレス(António Guterres)国連事務総長は2021年、同国で活動するガボンのPKO部隊の一部が性的虐待に関与したとして、本国送還を命じた。

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