◎中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。
中央アフリカ共和国のメディアは27日、トゥアデラ(Faustin Archange Touadera)大統領が新憲法を起草する委員会を創設したと報じた。
報道によると、トゥアデラ氏は26日に同委員会を設置する法令に署名したという。
AFP通信は政府高官の話を引用し、「委員会は新憲法の草案を取りまとめ、大統領に提出する責任を負う」と報じた。
トゥアデラ氏は数カ月前から憲法改正を求める抗議デモを主催し、今月放送されたテレビ演説では、「憲法改正を求める声が高まっている」と述べていた。
野党はこれに反対し、大統領の任期制限が見直される可能性があると指摘している。現行憲法は大統領の3選を禁じている。トゥアデラ氏は2016年に初選出され、2020年に再選した。
ある野党議員はSNSに、「憲法改正の目的は権力の座にとどまることだ」と投稿。反対派にデモを呼びかけた。首都バンギでは27日にデモ行進が行われたと報告されている。
トゥアデラ氏は今年3月、大統領の任期制限を撤廃する憲法改正草案を議会に提出しようとしたが、ほぼすべての野党がこれに反対、議会をボイコットする事態に発展した。一部の西側諸国もこの草案に懸念を表明したため、提出は見送られた。
中央アフリカは世界で最も貧しい国のひとつであり、2012年から内戦状態にある。現在、国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団(MINUSCA)の兵士約1万2000人が治安維持任務に当たっているものの、国土のおよそ3分の2が反政府勢力の支配下に置かれている。
トゥアデラ氏はロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵をボディガードとして雇い、反政府勢力に対抗している。
中央アフリカは今年4月、ビットコインを法定通貨に採用した。仮想通貨を法定通貨に採用した国は中米エルサルバドルに次いで世界で2カ国目。