◎同国ではイスラム教徒で構成される民兵組織セレカが2013年に当時のボジゼ大統領を退陣に追い込んで以来、全国各地で宗教間抗争やギャング間抗争が相次いでいる。
中央アフリカ共和国政府は12日、内戦勃発から10年以上経った今も1万人近くの子供が少年兵として前線に送り出されていると明らかにした。
大統領府の報道官は声明で、「少年兵たちは戦闘員、スパイ、メッセンジャー、コックとしてリクルートされ、その一部は性奴隷にされている」と述べた。
それによると、1万5000人近くの少年兵が反乱軍から逃れたものの、その多くが心に傷を負い、社会復帰できずにいるという。
同国ではイスラム教徒で構成される民兵組織「セレカ(Seleka)」が2013年に当時のボジゼ(Francois Bozize)大統領を退陣に追い込んで以来、全国各地で宗教間抗争やギャング間抗争が相次いでいる。
2013年の政変後、キリスト教徒で構成される民兵が反撃に転じ、多くのイスラム教徒が処刑された。
国連はMINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団、約1万7500人)を派遣し治安維持任務に当たっているものの、現在も国土のおよそ3分の2がセレカや他の反政府勢力の支配下に置かれている。
国連はこの内戦で民間人数千人が死亡、人口の20%に当たる100万人以上が住居を失ったと推定している。
中央政府と14の武装勢力は2019年に和平協定を結んだが、その後も戦闘は続き、収束の目途は全く立っていない。
国連は子供たちが武装勢力に加わるのを防ぐと同時に、解放された子供の社会復帰を支援している。解放された子供は国連が後援する訓練プログラムを受けることができる。
セレカの戦闘員だったという元少年兵はAP通信の取材に対し、「兵士になってこの国の平和を取り戻したいと考えたが、間違いだった」と語った。「斧やナタで女性・子供・老人を処刑するよう命じられました...」