中央アフリカ共和国、エネルギー分野でロシアに支援求める
中央アフリカ共和国は長年、政治的・治安面で不安定な状況が続いており、トゥアデラ氏は治安の改善を選挙戦の主要な実績として掲げていた。
と中央アフリカ共和国のトゥアデラ大統領(ロイター通信).jpg)
中央アフリカ共和国のトゥアデラ(Faustin-Archange Touadéra)大統領は5日、ロシアの首都モスクワでプーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、同国が直面する深刻なエネルギー問題への支援を求めた。トゥアデラ氏は記者会談で、これまでの安全保障面でのロシアの支援に謝意を示すとともに、エネルギー分野での協力拡大を強調した。
トゥアデラ氏はロシアが支援してきた安全保障の存在が、2025年12月の大統領選挙での再選を可能にしたと評価した。安全保障支援には、かつての民間軍事組織ワグネル代わるロシアの「アフリカ軍団(Africa Corps)」が関与しており、同部隊はマリや赤道ギニアなど他国でも活動している。西側諸国ではロシアの影響力拡大を警戒する声が上がっている。
トゥアデラ氏はこれまで提供されたロシアからの穀物や燃料の寄付にも感謝を示しつつ、「現在、中央アフリカ共和国はエネルギー分野で重大な課題に直面しており、ロシア連邦はこの分野で豊富な専門知識を持っている」と述べた。これを受けてプーチン氏はエネルギー、農業、インフラなどの分野で両国関係を強化する「良い見通し」があるとの認識を示した。
中央アフリカ共和国は長年、政治的・治安面で不安定な状況が続いており、トゥアデラ氏は治安の改善を選挙戦の主要な実績として掲げていた。しかし、主要野党連合は選挙を「不公平」としてボイコット、国際的な批判も根強い。トゥアデラ政権は安全保障の支援を提供したロシアおよびルワンダからの協力を得て治安維持を図ってきた。
ロシア側でも中央アフリカを含むアフリカ諸国との関係強化は重要な戦略と位置付けられている。ロシア大統領府の報道官は中央アフリカ共和国との協力について、「ロシア側の予算負担ではなく、双方に利益をもたらす共同プロジェクトを通じて支援する」と述べ、エネルギーや農業、インフラなどでの提携を進める意向を示した。こうした取り組みはロシアが欧米との関係断絶後、発展途上国との経済的・政治的結びつきを強める戦略の一環とみられている。
今回の会談でトゥアデラ氏がエネルギー支援を求めた背景には、同国の燃料不足や電力供給の脆弱さがあるとみられる。中央アフリカ共和国では電力インフラの整備が遅れており、燃料輸入への依存が高い。一方でロシアはエネルギー資源と技術力を有し、これを基盤とした協力拡大が期待されるとの見方がある。
西側諸国はロシアのアフリカにおける影響力拡大を懸念、フランスや米国などの存在感が相対的に低下していることが指摘されている。ロシアの「アフリカ軍団」の活動やエネルギー・経済協力を通じた関係強化は、地域の地政学的バランスに影響を与える可能性があるとの見方もある。
トゥアデラ氏は会談後、「この新しい7年間の任期は、既存の安全保障協力に加え、経済や人道支援など幅広い分野でロシアとの協力を強化する機会を提供する」と述べ、エネルギー問題への対応だけでなく幅広い協力関係の深化に意欲を示した。
中央アフリカ共和国が求めるロシアとの協力は、治安支援に加えてエネルギーや経済開発を通じた国の安定化を図ることを狙いとし、今後の具体的な支援内容や協力プロジェクトの展開が注目される。
