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中央アフリカ共和国大統領選、現職のトゥアデラ氏が勝利、3選へ

トゥアデラ氏はこれまで大統領として国家の安定化を政権の重要課題として掲げ、資源開発やインフラ整備の促進を訴えてきた。
2025年12月28日/中央アフリカ共和国、首都バンギの投票所、トゥアデラ大統領(ロイター通信)

中央アフリカ共和国で昨年末に実施された大統領選挙について、選挙管理委員会は5日、暫定結果を公表した。

それによると、トゥアデラ(Faustin-Archange Touadéra)大統領の得票率は76.15%で、他の候補を圧倒した。結果は今後、憲法裁判所での審理を経て確定する見込みである。

今回の選挙は同国史上初めて、大統領、議会選、地方レベルの選挙が同時に実施され、約240万人の有権者が登録された。全体の投票率は52.4%で、主要な野党勢力は選挙前にボイコットを表明し、選挙が公平に運営されていないと主張。野党連合BRDCは不平等な政治環境を理由に候補者を擁立せず、参加を拒否した。

トゥアデラ氏の対抗馬とみられた元首相の得票率は14.66%にとどまった。元首相はこの結果に異議を唱え、自らが勝利したと主張するなど、混乱の兆しも見られる。別の候補も選挙管理当局や投票過程で不正があったと主張している。トゥアデラ政権は不正疑惑を否定している。

2023年には大統領の任期制限を撤廃する国民投票が行われ、トゥアデラ氏が3期目の出馬資格を得ることにつながった。これに対して野党や市民社会からは、権力集中を許す可能性があるとの批判が根強い。選挙制度の変更は、トゥアデラ氏が長期政権を確立する一環として実施されたとみられている。

中央アフリカ共和国は長年内戦状態にあり、2013年の反乱以降、主にイスラム系武装勢力の台頭や政府軍との衝突が続いてきた。2019年には政府と複数の武装勢力との間で和平合意が結ばれ、治安情勢は一時的に改善したものの、今もなお一部地域では反政府勢力が活動を続けている。トゥアデラ政権はこうした状況を受け、ロシアの民間軍事会社ワグネルやルワンダ軍などの支援を活用し、治安の改善に努めてきたが、平和は依然として脆弱であるとの指摘がある。

また、選挙後にはMINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団)の縮小が進む見通しで、資金難を背景に国連の存在感が低下する可能性がある点も懸念材料となっている。治安面では依然として不安が残っており、選挙結果の受け入れをめぐる対立がさらなる緊張を生む可能性も指摘されている。

トゥアデラ氏はこれまで大統領として国家の安定化を政権の重要課題として掲げ、資源開発やインフラ整備の促進を訴えてきた。今回の結果は、彼の統治継続への支持基盤が一定程度存在することを示す一方で、政治的な分断と治安課題の克服が引き続き大きな課題であることも浮き彫りにしている。憲法裁判所は1月20日までに最終判断を下す予定だ。

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