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ワドメダニはジャジーラ州の州都。23年12月以来、RSFの支配下に置かれていた。
2025年1月13日/スーダン、ジャジーラ州ワドメダニ、陸軍の兵士(ロイター通信)

アフリカ北東部・スーダンの軍事政権がジャジーラ州の州都ワドメダニを準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」から奪還した。軍当局が13日、明らかにした。

ワドメダニは23年12月以来、RSFの支配下に置かれていた。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

軍は11日にワドメダニに入り、RSFが支配していた政府庁舎を奪還。RSFの戦闘員は郊外の前線まで後退したとみられる。

ロイター通信によると、ワドメダニの市民は軍を歓迎。通りで祝杯をあげたという。

兵士たちが空に向かって銃を乱射し、人々が路上で歓声を上げる中、ロイターの取材に応じた女性は「この1年間、地獄の中で生活してきた」と語った。

ワドメダニはRSFに支配されて以来、飢餓のリスクにさらされてきた。国連の支援がほとんど届かない中、市民は結束して食料や水を分け合い、飢えをしのいできたという。

ワドメダニの奪還が内戦に影響を与えるかどうかは分からない。一部の専門家は軍政がジャジーラ州全土を統治下に置けば、内戦の転換点になる可能性があると指摘している。

ジャジーラ州はハルツームの南方に位置する交易の要衝であり、ここを抑えれば、各地の戦線に部隊や物資を送りやすくなる。RSFはまだハルツームの大部分を支配している。

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