◎カメルーン政府はこの13年、バゲット1本の価格を125CFAフラン(約23円)で固定していたが、3月16日に150CFAフランに引き上げた。
2022年3月30日/カメルーン、首都ヤウンデのパン屋、店主のンガンダ氏(Getty Images)/AFP通信/Africanews)

カメルーンの首都ヤウンデのあるパン屋さんは「さつまいも」の粉でパンを作っている。小麦粉で作られた従来のパンが高価になりつつある今、店主はさつまいもに商機を見出した。

低中所得者層が多く住むエリアで小さなパン屋を営んでいるンガンダ氏は、13年前からさつまいも、キャッサバ、その他の豆類の粉でパンを作っている。

このパン屋はロシア・ウクライナ戦争による小麦価格の高騰の影響をほとんど受けていないように見える。

ンガンダ氏はAFP通信の取材に対し、「ウクライナ侵攻が始まって以来、顧客の数が20人弱から50人に増えました」と明らかにした。

ンガンダ氏のパンの原材料はすべてカメルーン産である。さつまいこ粉、水、その他の材料の配分は企業秘密とのこと。

カメルーンも他のアフリカ諸国と同じく、ロシア・ウクライナ戦争の影響を強く受けている。アフリカ諸国や経済支援が必要な国に食糧を提供している多くの国際機関がロシアとウクライナの小麦に依存していた。

国連安全保障理事会は29日、ロシアは欧州の穀倉地帯であるウクライナで戦争を起こし、世界食糧危機を引き起こしたと非難した。

ンガンダ氏のパンの見た目は従来の小麦パンとほぼ同じだが、AFP通信によると、重厚で口当たりが良く、ほんのり甘く、かなり重い。

ンガンダ氏は「従来のパンより安く、重く、おいしいパンができます」と説明した。

ンガンダ氏によると、さつまいもバゲット1本で50~60CFAフラン(約11円)の利益が出るという。他のパン屋の小麦バゲットの利益は40CFAフラン(7円)前後とのこと。

カメルーンの2021年の小麦粉50kgの価格は19,000CFAフラン(約4,000円)だったが、現在は24,000フラン(約5,000円)に上昇した。サツマイモ粉は50kg20,000CFAフラン(約4,100円)、キャッサバ粉は50kg17,500(約3,600円26ユーロ)で取引されている。

ンガンダ氏の顧客がこの1カ月で倍以上に増えたのは口コミのおかげである。

ヤウンデの電気技師アテバ氏はAFPに、「この店のパンは他の店のパンと味が違い、お腹もいっぱいになります」と語った。「バゲットの重さを比べると違いは一目瞭然です。私は毎日買ってます...」

世界銀行によると、カメルーンの人口の4分の1は極度の貧困状態にあるという。政府はこの13年、バゲット1本の価格を125CFAフラン(約23円)で固定していたが、3月16日に150CFAフランに引き上げた。

カメルーン政府は輸入小麦の売渡制度を採用しており、政府が一括輸入し、政府が決めた価格で業者に販売している。

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