カメルーン大統領選、92歳のビヤ氏再選へ、体調不安説を一蹴
ビヤ氏は在任を望む「数多くの強い要請」に応えると述べたが、今回の選挙では退陣を求める声も目立っている。
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アフリカ西部・カメルーンで今週、大統領選挙が行われる。地元メディアは92歳のビヤ(Paul Biya)大統領が再選する可能性が高いと報じている。
ビヤ氏は7月に大統領選への出馬を表明。体調不安説を一蹴した。
ビヤ氏は世界最年長の大統領であり、1982年に前任者が辞任した際に権力を掌握。40年以上にわたり政権を維持してきた。
ビヤ氏は在任を望む「数多くの強い要請」に応えると述べたが、今回の選挙では退陣を求める声も目立っている。
カトリック教会の一部の司教は昨年、ビヤ氏の職務継続に深刻な懸念を表明した。
北部地域出身の閣僚2人も辞任の後、公然とビヤ氏の指導力に疑問を呈した。
大統領の娘(27歳)も先月、ティックトックへの投稿で「父は多くの人々を苦しめてきた」と発言。国民の度肝を抜いた。
娘は後にこの発言を撤回したが、この投稿は野党や批判派の間で広く拡散し続けている。
こうした批判や数多くの治安・経済課題にもかかわらず、ビヤ氏は再選する可能性が高いようだ。
カメルーンの大統領の任期は7年。ビヤ氏は2008年の憲法改正で任期制限を撤廃した。
カメルーンが「最貧国」から抜け出せない理由は、複数の要因が複雑に絡み合っている。まず、政治的な不安定さが大きな障害となっている。政府の腐敗や長期政権による権力の集中が進み、公共サービスの改善やインフラ整備に十分な資源が投入されていない。また、英語圏とフランス語圏の対立が激化し、内戦に近い状況が続いており、これが経済活動の妨げとなっている。
さらに、経済構造にも問題がある。石油や農産物など一次産品への依存度が高く、価格変動に脆弱である。工業化が進まず、付加価値の高い産業が育っていないため、雇用の創出も限られている。教育や医療などの社会サービスも不十分で、人材の育成が進まない。
加えて、国際社会からの援助も効率的に使われておらず、援助依存体質が固定化している。このような構造的課題と不安定な政治環境が、カメルーンの貧困からの脱却を難しくしている。