◎トラオレ大尉率いる反乱軍は9月末、大統領のダミバ中佐を追放し、イスラム過激派を掃討すると誓った。
トラオレ(Ibrahim Traore)大尉が指名した議員71人は軍事政権の監視下で国を運営すると期待されている。
AFP通信によると、この議会は民主化への移行に向けた法改正などを主導する役割も担っているという。
トラオレ氏率いる反乱軍は9月末、大統領のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐を追放し、イスラム過激派を掃討すると誓った。
ダミバ氏は今年1月のクーデターでカボレ(Roch Kabore)大統領を追放し、治安を回復すると国民に約束したが、サヘル地域に拠点を置く過激派は各地で攻撃を続け、この数カ月で民間人や兵士数百人を殺害した。
今回任命された議員71人はダミバ氏が設立した暫定議会の仕事も引き継ぐとみられる。
報道によると、前議会の12人が再任されたという。
トラオレ大尉は訓示で、「私たちの国、ブルキナファソは、その歴史の中で困難な時期を迎えている。今はお祝いや喜びの時ではなく、献身と自己犠牲の時である」と語った。
「私は皆さんが冷静になり、努力し、愛国心を示すと確信しています。妥協することなく、行動し続けましょう!」
この暫定議会は先月中頃に採択された暫定憲章に基づき、設置された。
暫定憲章によると、議会議員は職責を全うし、国会会期中を除き、手当て(給与)は支払わないという。
マリ北部を中心とするサヘル地域で進行中の紛争は激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になっている。
国連によると、マリ、ニジェール、ブルキナで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。
ブルキナでは2015年以降、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派が暗躍し、市民200万人が避難民になったと推定されている。
トラオレ氏は先月21日の大統領就任式で、「テロリストの大群に占領された領土を再征服する」と国民に約束した。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍は国土の60%しか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれている。