◎トラオレ大尉率いる反乱軍は先月30日、大統領代行のダミバ中佐を追放した。
ブルキナファソの軍事政権は14日、先月末の軍事クーデターを指揮したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉を大統領代行に任命した。
軍幹部、市民社会グループ、宗教指導者などで構成される国民議会は軍事政権が起草した新たな憲章を承認した。
国営テレビによると、この憲章は軍事政権のトップを大統領兼陸軍の最高司令官とする一方、「軍幹部は民政への移行期間終了後に予定されている大統領選挙に立候補できない」と定めている。
トラオレ氏率いる反乱軍は先月30日、大統領代行のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐を追放した。
ダミバ氏は今年1月のクーデターでカボレ(Roch Kabore)大統領を追放。大統領代行に就任し、治安を回復すると国民に約束したが、サハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置くイスラム過激派は各地で攻撃を続け、この数カ月で民間人や兵士数百人を殺害した。
サヘル地域で進行中の紛争は激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になっている。国連によると、マリ、ニジェール、ブルキナで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。
トラオレ氏も過激派を抑え、治安を回復すると約束している。一方、ダミバ氏はクーデター後にブルキナからトーゴに向かったとされる。ダミバ氏はECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)との協議で2024年7月までに選挙を実施すると約束していた。
首都ワガドゥグーにはトラオレ氏の大統領代行就任を支持する市民数千人が集まり、34歳の陸軍大尉に敬意を表した。
一部のデモ参加者はロシアの国旗を掲げ、2013年以来この地域の戦争を指揮しているフランス軍ではなくロシア軍の支援が欲しいと訴えた。
ある市民団体はSNSに、「元宗主国ではなく、ロシアに来てほしい。彼らはテロリストを圧倒するだろう」と投稿している。
しかし、こうした支持にもかかわらず、多くの地元住民が「治安回復の試みは失敗する」と懸念を表明している。
AP通信の取材に応じたワガドゥグー在住の男性は「市民は結果を求めている」と語った。「失敗すれば、トラオレはダミバのように追放されるでしょう」