◎2年前のクーデターで前軍政を打ち負かし、世界最年少の大統領となったトラオレ大尉は過激派との全面戦争を宣言している。
アフリカ西部・ブルキナファソの軍事政権が同国と隣国マリでの過激派の攻撃に関する報道をめぐり、米国営ラジオ放送局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の放送免許を3ヶ月間停止した。国営テレビが7日に報じた。
それによると、規制当局はVOAが先月放送した内容が両国の軍隊の士気を損なうことを意図したものであったとして、3ヶ月間放送を禁じたという。
2年前のクーデターで前軍政を打ち負かし、世界最年少の大統領となったトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派との全面戦争を宣言している。
この紛争による死者は数万人、避難者は200万人以上と推定されている。被害の全容は明らかになっておらうず、調査が進む目途も全く立っていない。
軍政は西側のメディアや活動家に嫌がらせをしたり、いくつかの報道機関のライセンスを停止している。
VOAとBBCは今年初め、同国の武装勢力によるジェノサイド(集団殺害)に関する国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのレポートを報道したとして、2週間放送を禁じられた。
VOAは今回の処分について、コメントを出していない。
規制当局はマリの首都バマコにある軍事キャンプと空港への攻撃に関するVOAの報道を批判。この攻撃は国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)によるもので、数人の兵士が死亡した。
また規制当局は8月にブルキナ中部で起きた襲撃事件(少なくとも100人の村民と兵士が死亡)についても同局の報道を批判した。