◎ブルキナ軍は昨年1月と9月の軍事クーデターで政権を掌握し、過激派から領土を奪還すると宣言したが、暴力の波に対処できていない。
ブルキナファソ当局は15日、北部スム県のアルビンダでイスラム過激派が女性約50人を誘拐したと明らかにした。
アルビンダの住民によると、この地域は深刻な食料不足に見舞われており、女性たちは集落の外で果物や木の実を集めている途中、過激派とみられる武装勢力に襲われたという。
難を逃れた女性数人が地元の役場に通報し、軍事政権にも情報が伝わったようだ。
自治体によると、過激派は12日もしくは13日に女性たちを誘拐したという。死傷者の有無は明らかになっていない。
AFP通信の取材に応じた住民は、「女性たちは食料がなくなったので、果物、木の実、葉っぱを集めていた」と語った。
この住民によると、女性たちは集落から10kmほど離れた地点で食料を探していたという。
別の住民は、「女性たちは12日に戻る予定だったが、帰ってこなかったのでおかしいと思った」と述べた。「村に帰ってきた3人が事情を説明し、すぐ警察に通報しました」
アルビンダはサヘル地域の集落のひとつで、国際テロ組織アルカイダやイスラム(ISIS)とつながりのある過激派の攻撃にさらされている。
周辺の道路は過激派の支配下にあり、軍の食料支援も届かず、国連によると、一部の集落は飢餓状態にあるという。
アルビンダの市民は先月、民間の倉庫に押し入り、食品を強奪した。
ブルキナ軍は昨年1月と9月の軍事クーデターで政権を掌握し、過激派から領土を奪還すると宣言したが、暴力の波に対処できていない。
子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」は昨年11月、ブルキナの学生約100万人が治安悪化の影響で学校に通えずにいると警告した。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍は国土の60%しか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれている。