◎国連は一連の紛争で民間人少なくとも5000人が殺害されたと見積もっているが、正確な死者数を把握することは不可能である。
ブルキナファソの軍事政権は31日、イスラム過激派による攻撃がこの数日で相次ぎ、民間人を含む少なくとも32人が死亡したと発表した。
軍評議会はフェイスブックに声明を投稿。30日にサヘル地域で発生した戦闘により兵士12人と民間人1人が死亡。さらに中部と西部の集落が週末に攻撃を受け、20人が死亡したと明らかにした。
地元の人権団体によると、イスラム過激派の戦闘員とみられる男たちは28日に中部の集落を襲い、住民を処刑したという。29日には西部の町が攻撃を受けた。
サヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっており、2015年以降の紛争に巻き込まれた民間人は数百万人に達し、少なくとも200万人が難民になったと推定されている。
国連は一連の紛争で民間人少なくとも5000人が殺害されたと見積もっているが、正確な死者数を把握することは不可能である。
過激派の暴力は国民の不満と政治不信につながり、ブルキナでは昨年、軍事クーデターが2度発生した。
9月に大統領に就任したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派を殲滅すると約束したが、暴力の波に押されているように見える。
トラオレ政権は過激派に対抗するため、何万人もの民間人をボランティア戦闘員として現地に派遣している。
しかし、欧米の専門家や人権団体は「ボランティア戦闘員は過激派が支配する地域で生活する非武装の民間人を攻撃している」と非難している。
人道危機の情報収集・分析プロジェクトACLEDはツイッターに、「ボランティア民兵および軍事政権による超法規的殺人の増加により、今後数カ月で紛争が激化し、大量虐殺が起きるとある程度予測できた」と投稿している。
「国家権力による暴力や国家公認の暴力の増加により、過激派の暴力もエスカレートし、暴力と報復の連鎖を引き起こしているのです...」