◎ブルキナは人口約2000万人の内陸国。10数年前からアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による暴力に悩まされてきた。
ブルキナファソとマリの国境付近の難民キャンプ、ブルキナファソ軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

西アフリカ・ブルキナファソ中部の集落に国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)が押し入り、住民少なくとも200人を虐殺した。現地メディアが25日に報じた。

それによると、現場は首都ワガドゥグから数百キロ離れた集落。ここには軍政の拠点があるとされ、戦略的に重要な集落のひとつに位置付けられているという。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは目撃者の話しとして、「この集落はJNIMの波状攻撃で壊滅し、少なくとも200人が死亡、140人が負傷した」と伝えている。

それによると、襲撃後、JNIMが犯行声明を出したという。

JNIMは軍政の拠点を守るために塹壕を掘っていた人々に向けて発砲したとされる。アルジャジーラによると、陸軍の兵士数人が行方不明になり、JNIMは車、銃器、医薬品などを奪ったという。

JNIMは集落にも攻め入り、住民を虐殺した。アルジャジーラが公開した動画には銃を持った男に「自分の墓を掘れ」と命じられる住民の姿が映っていた。

ブルキナは人口約2000万人の内陸国。10数年前からアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織による暴力に悩まされてきた。

22年9月のクーデターで前軍政を追放したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派との全面戦争を宣言している。

この紛争による死者は数万人、避難者は200万人以上と推定されている。被害の全容は明らかになっておらうず、調査が進む目途も立っていない。

ブルキナはノルウェー難民評議会(NRC)が最近発表した「世界で最も無視されている避難民危機」のトップにランクされている。

NRCによると、昨年の暴力による死者は8400人を超え、前年の2倍となった。

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