◎基地周辺では何時間も大砲の音が鳴り響き、激しい銃撃戦が展開された。
2022年1月23日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーのラミザナキャンプ近く、反乱軍の兵士(Sophie Garcia/AP通信)

1月23日、ブルキナファソの首都ワガドゥグーにある軍事基地で銃撃戦が発生し、反乱軍が施設の支配権を奪取した。

現地メディアによると、基地周辺では何時間も大砲の音が鳴り響き、激しい銃撃戦が展開されたという。

国軍の兵士数百人が政府の対テロ作戦に不満を表明したと伝えられている。ワガドゥグーではロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領の辞任を要求する抗議デモが行われたばかりだった。

政府は先週、セキュリティ上の懸念を理由にフェイスブックへのアクセスを禁じ、クーデターを企てたとされる軍関係者15人を逮捕したが、詳細は明らかにされていなかった。

ブルキナファソと国境を接するマリ北部で進行中のサヘル紛争は周辺国にも深刻な影響を与えており、これまでに数千人が死亡、約150万人が避難民になった。アフリカ連合軍はアルカイダやイスラム国関連の組織と戦っているが、紛争が終結する見通しは全く立っていない。

銃撃戦はワガドゥグーの西部と南部にある軍事キャンプおよび空港の近くにある基地で発生した。米国大使館によると、北部の町にある軍事キャンプでも戦闘が報告されたという。

複数の現地メディアが反乱軍の要求を報じた。

・陸軍参謀総長と諜報機関責任者の解任。

・テロリストとの戦争の最前線により多くの兵士を配備する。

・負傷した兵士および死亡した兵士の家族に対するケアを充実させる。

シンポア国防相は国営放送RTBを通じて声明を発表し、「いくつかの都市で騒乱が発生し、一部の兵舎が影響を受けたが、政府は危機を封じ込めた」と述べた。

また、カボレ大統領が拘束されたという情報がソーシャルメディアで拡散したことについて、「大統領は拘束されておらず、政府庁舎は騒乱の対象ではなかった」と強調した。

世界のインターネット通信を監視しているネット・ブロックスによると、ワガドゥグーの一部地域で通信に制限がかかっているという。カポレ大統領の所在地は明らかにされていない。

ラミザナキャンプの兵舎を占領した兵士たちは空中に何度も発砲し、カボレ大統領の辞任とその他の要求に応じるよう訴えた。AP通信によると、100台近くのバイクがラミザナキャンプを離れ、一部の反乱兵は兵舎に残ったが、治安部隊の鎮圧作戦が始まると騒ぎは収まったという。

ジハード組織は昨年11月の攻撃でブルキナファソの兵士少なくとも53人を殺害し、カボレ大統領の対テロ作戦に対する国民の不満は頂点に達した。一部の専門家は隣国マリのように軍事クーデターが発生する可能性があると懸念を表明していた。

カポレ大統領は先月、対テロ作戦の不始末などを理由に首相を解任したが、反対派勢力は内閣だけでなく大統領も辞任するよう求めている。

西アフリカでは過去18カ月の間に少なくとも2回軍事クーデターが発生しており、23日の銃撃戦はこの地域をまとめる西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の不安をあおった。ECOWASは2012年の創設以来初めて、加盟国のマリとギニアに同時に制裁を科した。

マリの軍事政権は2022年2月までに国政選挙を行うと約束していたが、先日、選挙を4年延期すると発表した。

ギニアの大統領は2021年9月に追放された。

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