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ブルキナファソ軍政、緊急着陸後に拘束したナイジェリア空軍乗組員を解放

解放されたのは2名のパイロットと9名の同乗者。12月8日に技術的なトラブルに見舞われ、ブルキナファソの空港に緊急着陸していた。
ブルキナ軍と仏軍の兵士(Getty Images)

ブルキナファソの軍事政権が同国で緊急着陸後に拘束されていたナイジェリア空軍の乗員11人を解放した。ナイジェリア外務省が18日、明らかにした。

同省は声明で、外相率いる代表団との協議を通じて問題が解決されたと発表、外交の重要性を強調した。

解放されたのは2名のパイロットと9名の同乗者。12月8日に技術的なトラブルに見舞われ、ブルキナファソの空港に緊急着陸していた。

ナイジェリア空軍はこの着陸が国際基準に基づく安全措置だったと説明したが、ブルキナ当局は領空権の侵害とみなし、拘束に至ったとみられる。

ナイジェリア外務省の報道官は声明で、「問題は解決され、彼らはもはや拘束されていない」と述べ、両国は協議を行い、二国間協力と地域統合を深化させることで合意したと明らかにした。

ブルキナ側との交渉はティヌブ政権の指示に基づき、外相率いる政府代表団が首都ワガドゥグで行った。

当該機(C-130輸送機)はナイジェリアからポルトガルへの整備往復便として飛行中だったとされ、緊急着陸は技術的な問題に対応するために実施されたとナイジェリア軍は説明している。だがブルキナ軍政とサヘル諸国連合(AES)はこの着陸を許可なき領空侵犯とみなしていた。

これを受けてAESは対空防衛を最高レベルに引き上げ、領空を侵す航空機に対して「無力化措置」を取る権限があると表明していた。

この事態は同地域の緊張した政治・安全保障状況と絡んで発生した。AESを形成するブルキナ、マリ、ニジェールは西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を離脱し、ロシアとの連携を強化している。

AESはECOWASが市民の利益に反する措置を取っているとして批判している。一方でナイジェリアはECOWASの主要メンバーの一つであり、最近ベナンで発生したクーデター未遂に対して空爆を実施して反体制派を制圧するなど、地域の安全保障に積極的に関与している。これらの複合的な背景が両国関係に影を落としていた。

今回の解放を受け、ナイジェリア政府は乗員とともに航空機をポルトガルでの整備のために飛行させる準備を進めるとしている。また政府は今回のケースを通じて「敏感な問題を解決する上で外交が効果的に機能することを再確認した」と述べ、今後も対話と協力を重視する方針を強調した。

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