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建設中の建物が倒壊、1人死亡、複数人行方不明 南アフリカ

倒壊した建物は寺院の拡張工事として3〜4階の構造で建設中だったとみられ、倒壊の原因や詳細は調査中だが、当局によると、当該構造物は正式な建築許可を取得しておらず、違法建設であった可能性が高いという。
2025年12月12日/南アフリカ、クワズール・ナタール州、崩壊した建物(AP通信)

南アフリカ東部クワズール・ナタール州近郊で12日、建設中の建築物が倒壊し、少なくとも1人が死亡、複数人が瓦礫の下に閉じ込められた。地元当局が明らかにした。

倒壊した建物は寺院の拡張工事として3〜4階の構造で建設中だったとみられ、倒壊の原因や詳細は調査中だが、当局によると、当該構造物は正式な建築許可を取得しておらず、違法建設であった可能性が高いという。

市当局は救助チームを現場に派遣、対応に当たっている。救助隊の責任者は国営放送SABCに対して、「閉じ込められている数人が家族と携帯電話で連絡を取りながら自分たちの位置を知らせている」と語った。閉じ込められた人々が建設作業員なのか寺院内にいた参拝者なのかは現時点で不明だとしている。

現在までに8人が負傷・病院に搬送され、治療を受けている。救援隊は重機を用いて瓦礫を慎重に除去しながら人命救助に全力を挙げている。

現場は東海岸の主要都市ダーバンの北方、多くの住宅地や商業施設が広がる地域だ。地元自治体は今回の事故を受け、違法建築物の取り締まりや安全基準の遵守について改めて強化する方針を示している。州当局も声明を出し、「初期調査では建築計画の承認がされておらず、構造物が適切な審査を受けていなかった可能性がある」と述べ、さらなる調査を進める意向を表明した。

また当局は一般市民に対し、現場周辺への立ち入りを避けるよう呼びかけており、二次災害を防ぐための警戒を強めている。救助活動の進展に応じて負傷者数や閉じ込められた人数などの詳細が更新される見込みだ。

南アでは過去にも建設現場での事故や違法建築が社会問題となっており、安全管理の徹底が求められている。今回の事故を受けて、建設現場の規制強化や監視体制の改善を求める声が地元コミュニティや専門家から上がる可能性がある。当局は事故原因の解析を進め、再発防止策を検討するとしている。

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