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ボツワナが「公衆衛生上の緊急事態」を宣言、医薬品不足で

ボツワナの人口は約250万人。世界有数のダイヤモンド生産国であり、その価格低迷の影響を強く受けている。
アフリカ南部・ボツワナ、首都ハボローネの国立病院(Getty Images)

アフリカ南部・ボツワナのドゥマ・ボコ(Duma Boko)が医薬品の不足を理由に「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。現地メディアが26日に報じた。

ボコ氏は25日のテレビ演説で、「政府の財政枯渇と米国の援助削減により、国内の医薬品供給網が崩壊した」と語った。

またボコ氏は「政府が運営する医療供給網は機能不全に陥っており、この失敗が全国的な医薬品不足と大混乱を引き起こした」と述べた。

保健省は今月初め、民間の医療機関や供給業者への7500万ドルの未払いにより医薬品の供給システムが「深刻な逼迫状態」にあると警告していた。

また同省は「高血圧、がん、糖尿病、結核、喘息、精神・性病など、多様な疾患の医薬品が不足し、多くの手術が延期されている」と明らかにした。

政府は包帯や縫合糸の不足も報告している。

ボコ氏は「財務省が調達のための緊急資金として2億5000万プラ(約27.5億円)の予算を承認した」と述べ、「軍が医薬品の配布を監督し、最初の出荷は首都ハボローネから直ちに発送され、農村地域を優先する予定である」と強調した。

ボツワナの人口は約250万人。世界有数のダイヤモンド生産国であり、その価格低迷の影響を強く受けている。

世界のダイヤモンド市場は人工ダイヤモンドの台頭、需要の減少、供給過剰により低迷。ボツワナの経済にも大きな影響を与え、財政を直撃した。

それにトランプ米政権による対外援助削減が重なり、危機が拡大。医薬品不足を招いた。

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