ナイジェリア北東部のモスクで爆発、負傷者多数、警察が捜査
現場はマイドゥグリ中心部の市場の近くにあるモスクで、爆発の衝撃で多くの人々が負傷し、少なくとも数人が死亡したとの情報があるが、当局は正式な被害状況をまだ公表していない。
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ナイジェリア北東部ボルノ州の州都マイドゥグリで24日夕方、モスクを狙った爆発があり、礼拝中の教徒らが巻き込まれた。現地メディアが報じた。
それによると、爆発はイスラム教の夕方の礼拝(マグリブ)の最中に起きた。現場はマイドゥグリ中心部の市場の近くにあるモスクで、爆発の衝撃で多くの人々が負傷し、少なくとも数人が死亡したとの情報があるが、当局は正式な被害状況をまだ公表していない。
警察や救急関係者の発表では、爆発は午後6時頃、モスクが多くの教徒で混雑していた時間帯に発生したという。現場には爆発物処理班や救急隊が急行し、負傷者の救護と周囲の安全確認にあたっている。ただし、警察の公式声明は簡潔なものにとどまり、死傷者数は明らかにされていない。現地で対応に当たっている警察の責任者は地元テレビ局のインタビューで「爆発があったことを確認し、捜査を進めている」と述べるにとどめた。
目撃者や地域住民の話では、現場にいた教徒の一部が重傷を負い、救急車で病院に搬送されたという。ロイター通信は情報筋の話しとして、「少なくとも7人が死亡した可能性がある」と伝えている。市場周辺にいた住民は黒煙が立ち上る中で混乱が広がったと語っている。正確な死傷者数については複数の報道機関が異なる数字を伝えており、確認が続いている。
今回の爆発について、犯行声明を出した組織は確認されていない。だが、マイドゥグリとその周辺地域は長年にわたりイスラム過激派組織の暴力の標的となってきた歴史がある。特に西アフリカ最大の過激派「ボコ・ハラム」やその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」による自爆攻撃や即席爆発装置(IED)を用いた襲撃が続き、過去にはモスクや市場、公共の場が狙われて多くの民間人が犠牲になってきた。こうした背景から、今回の爆発も過激派による攻撃の可能性が指摘されているが、現段階で確証はない。
中央政府と軍は長年、北部地域でボコ・ハラムとISWAPに対する軍事作戦を実施している。これら過激派組織は2009年以降、北東部を中心に反乱やテロ活動を展開し、数万人の死者と数百万人の避難民を生み出した。マイドゥグリもかつては日常的に襲撃や銃撃戦が発生する地域であったが、近年は治安の改善が進んでいたとの評価もあった。しかし、今回の爆発は依然として危険が存在することを示すものとなった。
ボルノ州当局や中央政府は被害状況の詳細把握に努めるとともに、地域の治安維持に全力を挙げる考えを示している。地元住民らは宗教施設を含む公共の場での安全確保と警戒強化を求めており、再発防止策の徹底が焦点となっている。捜査と救援活動は継続しており、今後さらなる情報が明らかになる見込みだ。
