スーダン内戦、6000人の子供が餓死寸前=ユニセフ
エルファーシルは首都ハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。
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国連児童機関(ユニセフ)は27日、アフリカ北東部・スーダンのダルフール地方が「壊滅的な悲劇」に直面していると警告した。
それによると、軍事政権と悪名高い準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との激戦が続く北ダルフール州エルファーシルで約26万人の市民が身動きが取れなくなっているという。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルは首都ハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。
ユニセフによると、過去数カ月でエルファーシルと周辺地域から少なくとも60万人が避難したものの、市内には依然として26万人の民間人(うち13万人が子供)が閉じ込められているという。
ユニセフは声明で、「彼らは16カ月以上も支援から遮断され、絶望的な状況に置かれ、少なくとも6000人の子供が餓死寸前の状態である」と警告した。
またユニセフはRSFがエルファーシルへの補給路を遮断し、飢饉を引き起こそうとしていると非難した。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
一部の専門家はこの内戦の死者数を30万~40万人と推定している。