援助物資積んだ車列が空爆受ける、5人死亡 スーダン・ダルフール地方
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
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アフリカ北東部・スーダンのダルフール地方で援助物資を積んだ車列が攻撃を受け、少なくとも5人が死亡した。国連が3日、明らかにした。
それによると、事件は準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が統治する北ダルフール州で2日夜に発生。15台のトラックからなる車列が空爆を受けたという。
世界食糧計画(WFP)とユニセフ(国連児童機関)は共同声明で、「一団は北ダルフール州エルファーシルに向かっていた」と述べ、軍事政権とRSFに攻撃者を特定するよう求めた。
この空爆で複数のトラックが焼失。多くの物資が失われた。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFは過去数か月間、唯一支配下にない北ダルフール州エルファーシルへの攻撃を続けてきた。
WFPとユニセフによると、この一団は紅海沿岸の都市ポートスーダンから1800キロ以上移動し、RSFに包囲されているエルファーシルの市民に食料やその他必需品を届ける予定であった。
RSFは声明で、空軍の戦闘機が車列を空爆したと主張した。RSFが共有した映像には全焼したトラックと小麦粉の袋が映っていた。
軍政はRSFの主張を否定。「RSFの攻撃ドローンが車列を破壊した」と主張した。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。