ナイジェリア集落襲撃、死者150人に、武装勢力が住民虐殺

ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。
ナイジェリア、最大都市ラゴス、警察官(AP通信)

アフリカ西部・ナイジェリア中部ベヌエ州の集落に正体不明の武装集団が押し入り、住民を虐殺した事件について、地元当局は16日、これまでに150人の遺体を収容し、数十人が行方不明になっていると明らかにした。

AP通信によると、住民たちが焼け焦げた家屋を捜索し、多くの遺体を収容・埋葬したという。

事件は同州グマ地区の集落で13日から14日にかけて発生。イスラム過激派とみられる集団が住民を虐殺し、数十人を誘拐したとみられる。

政府がこの地域に陸軍を投入し、武装集団を追っている。犯行声明を出した組織は確認されていない。

ティヌブ(Bola Tinubu)大統領は15日の声明でこの襲撃を非難し、18日にベヌエ州を訪問すると明らかにした。

地元メディアによると、武装集団は民家、市場、倉庫を焼き払い、他の地域で販売するために準備していた米やヤムイモなど、1年分の農作物を破壊したという。

ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。

ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつであり、その影響力は拡大し続け、隣国のニジェール、チャド、カメルーンでも猛威を振るっている。

中央政府とボコ・ハラムは戦争状態にあり、10数年にわたる戦いで3万5000人以上が死亡、260万人以上が住居を失ったと推定されている。

ベヌエ州では先月、武装集団が集落を襲撃し、少なくとも20人が死亡。4月にも同様の事件で少なくとも56人が殺害されている。

隣のプラトー州では4月、イスラム過激派とみられる武装兵が50人以上を処刑した。

13日夜に妻と4人の子供を失ったという男性はAP通信の取材に対し、「私が暮らす地区で16日に20人以上の遺体が見つかった」と語った。

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