ウクライナ戦争、ロシア側でガーナ人55人死亡、違法勧誘
戦闘に参加したガーナ人の大半はロシア軍側で戦ったとみられる。
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ガーナ共和国のアブラクワ(Samuel Okudzeto Ablakwa)外相は27日、ロシアによるウクライナ侵攻の戦闘で少なくとも55人のガーナ人が死亡したと明らかにした。この死者数はアフリカ諸国の国民がこの戦争で確認された死者としては最多の規模で、戦闘に参加したガーナ人の大半はロシア軍側で戦ったとみられる。この発表はウクライナの首都キーウ訪問中に行われたもので、ウクライナ当局の情報を基にしている。
アブラクワ氏によると、これまでに272人のガーナ人が戦闘地域に送り込まれた可能性があるとされ、そのうち死亡者が55人、さらに2人が捕虜としてウクライナ側に拘束されているという。ガーナ外務省はこれらのガーナ人が就業機会や訓練の約束といった好条件を餌に誘われたとみており、違法な採用ネットワークが関与している可能性を指摘している。
ウクライナ側の情報では、アフリカ36カ国から約1780人が同様の方法でロシア側にリクルートされたとしている。この多くは軍事経験が乏しく、雇用や収入を求めて応募した結果、実際には前線での戦闘に巻き込まれたという。専門家は国際的な人身取引やネット上の違法勧誘が背景にあると分析しており、リクルート活動の実態解明が急務となっている。
ガーナ政府はこうした勧誘活動を「ガーナ国民の命を危険にさらすもの」と強く批判し、国内における不正な採用スキームの追跡と摘発に乗り出す姿勢を示している。また、広報活動を通じて若者や求職者に対し戦闘の危険性を啓発し、誤った情報や甘い誘い文句に惑わされないよう促す方針だ。アブラクワ氏は「これは我々の戦争ではなく、若者を他国の戦争の人間盾にしてはならない」と強調した。
戦争に巻き込まれた2人のガーナ人捕虜は他の戦争捕虜と同様に国際法に基づいて扱われ、健康状態に問題はないことが確認されているとガーナ外務省は報告している。アブラクワ氏は捕虜の早期帰国に向けてウクライナ側と引き続き協議する意向を示すと同時に、ガーナ国民の安全確保を最優先課題として取り組む考えを示した。
同様の事例はほかのアフリカ諸国でも報告されている。ケニア政府は約1000人の自国民が同様の勧誘でロシア軍に参加した疑いがあると発表し、その一部は病院に運ばれるか行方不明になっていると伝えている。また、ナイジェリアなどからも数件の死亡例が報告されている。南アフリカでは複数の国民が戦闘に巻き込まれたとして捜査が進められており、政治関係者の関与疑惑も浮上している。
アブラクワ氏は国際社会に対してこうした違法な勧誘行為を非難し、各国政府と連携して不正なリクルートネットワークの摘発と被害者支援の強化を求めている。ガーナ政府は今後も国民の安全を守るため外交チャンネルを通じた働きかけや法的対策を強化していくとしている。
