アルカイダ系組織、マリへの燃料輸入を遮断、タンクローリー爆破
マリの国営メディアによると、軍政は運輸業界団体の代表者らと会合を開き、これらの脅威への対応策を協議中だという。
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国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)がアフリカ西部・マリで石油タンクローリーを攻撃した。現地メディアが8日に報じた。
JNIMは近隣諸国からマリに流れる燃料を狙い、軍事政権に圧力をかけている。
AP通信は治安筋の話しとして、「このタンクローリーはコートジボワールから燃料を輸送中で、マリ南部の林道で襲撃を受けた」と伝えている。死傷者の情報はない。
JNIMの報道官は週末、この襲撃を記録した映像をSNSで公開。「マリへの燃料輸送は禁じられている」と主張した。
マリの国営メディアによると、軍政は運輸業界団体の代表者らと会合を開き、これらの脅威への対応策を協議中だという。
JNIMはサヘル地域で活動する過激派のひとつである。
サヘル地域はアフリカ大陸のサハラ砂漠とサバンナの中間に位置する半乾燥地帯で、西はセネガルから東はエリトリアに至る帯状の広がりを持つ。
年間降水量は少なく降雨の変動が大きいため、干ばつや砂漠化の影響を強く受けやすい。農牧業が主な生業だが、土地の劣化や気候変動により食料不安が深刻化している。
さらに、マリ、ニジェール、ブルキナファソなどでは国家の統治能力が脆弱で、貧困、急速な人口増加、失業問題が社会不安を高めている。
近年はイスラム過激派組織の活動拡大や武力衝突が頻発し、治安の悪化が国際社会の懸念材料となっている。
国際機関や周辺諸国は治安対策、人道支援、持続可能な開発を進めようとしているが、気候変動と政治的不安定が重なり解決は容易ではない。