SHARE:

カメルーン北西部で襲撃事件、15人死亡、英語圏とフランス語圏の対立続く

事件は14日未明、北西部郊外にある集落で発生したとされる。
2015年6月12日/カメルーン、赤道ギニア国境近くの町(ロイター通信)

カメルーン北西部の英語圏地域で武装した男たちが住民を襲撃し、少なくとも15人が死亡した。地元当局が14日、明らかにした。犠牲者には8人の子どもが含まれているという。事件は14日未明、北西部郊外にある集落で発生したとされる。それ以上の詳細は明らかになっておらず、犯行声明を出した組織も確認されていない。

地元の酋長はAP通信の取材に対し、「襲撃者は遊牧民を狙い撃ちにした」と語った。この遊牧民は過去に分離独立派から政府を支持していると見なされ、対立の一因となってきた背景がある。

北西州の知事は国営テレビのインタビューで、「この襲撃はテロリストによる大量殺害である」と語った。また知事は死者数を14人と発表し、その内訳として女性6人と子ども7人が含まれているとした。官民それぞれの報告に若干の差異があるものの、状況の深刻さは一致している。

カメルーン西部の英語圏地域では2017年に英語圏住民がフランス圏政府からの政治・経済的疎外を理由に独立を求める反乱を開始して以来、武力衝突や襲撃が続いている。分離派は英語圏の独立国家樹立を掲げ、これに対し政府軍は反乱勢力を取り締まる構えを続けてきた。こうした対立は「アンゴロフォン危機」と呼ばれ、国際危機グループなどのシンクタンクによると、これまでに6000人以上が死亡し、60万人以上が国内外で避難生活を強いられている。

今回の襲撃は同地域の治安悪化が続いている現実を改めて浮き彫りにした。過去数年では襲撃件数が減少しているとの指摘もあるが、住民を巻き込む暴力はいまだ終息していない。和平交渉は国際仲介者を交えて試みられているものの、政府側と分離派双方が互いに不信感を抱いており、具体的な進展には至っていない。

襲撃後、現地の人道団体や国際組織は民間人保護の強化を求める声を上げている。特に子どもや女性を含む一般住民が標的となる事例が続く中で、地域住民の安全確保と流血の拡大防止が喫緊の課題となっている。また、今回の事件について政府当局は調査を進めており、関係者からの聞き取りや現場検証を通じて、襲撃の背景や責任主体の特定を急いでいるという。

今回の惨事はカメルーン国内のみならず国際社会からも懸念が表明されている。地域の不安定化は隣国や広域の安全保障にも波及しかねないとして、国際機関や複数の国が対話促進や紛争解決に向けた支援の強化を求めている。解決の糸口が見えない中で、一般市民の命と暮らしを守る具体策が求められている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします