武装勢力が治安部隊を襲撃、20人殺害 ナイジェリア中部
襲撃はプラトー州郊外の集落で発生。正体不明の武装勢力が巡回中の治安部隊のパトロール隊に待ち伏せ攻撃を仕掛けた。
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ナイジェリア中部プラトー州で武装勢力が治安部隊を襲撃し、複数の隊員が死亡した。地元当局が15日、明らかにした。治安悪化が続く同国では武装勢力やイスラム過激派による襲撃が各地で相次いでおり、今回の事件も深刻化する治安問題を浮き彫りにしている。
襲撃はプラトー州郊外の集落で発生。正体不明の武装勢力が巡回中の治安部隊のパトロール隊に待ち伏せ攻撃を仕掛けた。州政府は正確な死者数を公表していないが、地元の人権団体は少なくとも20人の隊員が死亡したと報告している。犠牲者には軍の将校2人や、地域の警備活動に参加していた自警団の隊員らも含まれているという。
襲撃は少なくとも3つの集落で確認され。攻撃を行った武装勢力の正体は明らかになっておらず、犯行声明も出ていない。州政府は事件を強く非難し、治安当局が地域の監視体制を強化し、警備を増強する方針を示した。
人権団体KADAは声明で、今回の襲撃が突発的なものではなく、同地域は長年にわたり武装勢力による暴力にさらされてきたと指摘した。それによると、この地域では過去3~4年間にわたり、盗賊団による襲撃、家畜の略奪、住民の誘拐、家屋の破壊などが繰り返されてきたという。こうした武装勢力は広大な農村地帯で活動し、治安部隊の統制が及びにくい地域で自由に行動しているとされる。
ナイジェリアでは長年、北部を中心に複雑な治安危機が続いている。特に北東部では西アフリカ最大のイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」やその分派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」などが活動し、軍や民間人を標的とする攻撃を繰り返してきた。また北西部や中部では身代金目的の誘拐や武装強盗を行う犯罪集団も増加している。
さらに近年はサヘル地域を拠点とする武装勢力が国境を越えて活動範囲を広げるなど、治安状況は一段と複雑化している。こうした暴力行為により、同国ではこれまでに数万人が死亡したとされ、政府の対応の遅れや治安対策の不十分さを指摘する声も少なくない。
この状況を受け、米国はナイジェリア軍の対テロ作戦を支援するため、軍事顧問として部隊を派遣し、情報収集や作戦計画の面で協力を行っている。国際社会も同国の治安情勢の悪化に強い懸念を示しており、政府にはより効果的な安全対策が求められている。
今回の待ち伏せ攻撃はナイジェリア北中部で続く暴力の連鎖の一例に過ぎない。政府が治安回復に向けてどこまで実効的な対策を打ち出せるかが、今後の地域の安定を左右する重要な課題となっている。
