◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動しており、30年以上前から紛争に悩まされてきた。
反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘員(Getty Images)

アフリカ南部・アンゴラ政府は7月30日、コンゴ民主共和国と隣国ルワンダがコンゴ東部地域における戦闘を終結させることで合意したと発表した。

コンゴとルワンダの外相はアンゴラの大統領府で会談。世界最大規模の人道危機を引き起こしているコンゴ東部の戦闘を終結させる文書に署名した。

コンゴ政府はルワンダが同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)を支援していると長年非難してきたが、ルワンダ政府はこれを否定している。

M23とコンゴ政府は戦争状態にある。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。

国連安保理によると、3000~4000人のルワンダ兵がM23と共にコンゴ東部で活動しているという。

両政府は今回の合意を「人道的停戦」と呼び、8月4日午後0時に発効するとしている。

しかし、M23は声明を出しておらず、合意を守るかどうかも不明だ。AP通信はこの紛争に詳しい地元民兵の話しとして、「武装解除に応じたゲリラはひとつも確認されていない」と伝えている。

北キブ州などでは現在、700万人以上が避難生活を余儀なくされている。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動しており、30年以上前から紛争に悩まされてきた。

国連によると、北キブ州でこの数カ月の間に住居を失った市民は170万人を超えたという。

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