◎2候補は首都アルジェの憲法裁判所に異議を申し立て、票を数えなおし、選管が公表したデータに差異が生じた原因などを明らかにするよう求めている。
アフリカ北西部・アルジェリアの大統領選に出馬した2人の野党候補が10日、司法当局に異議を申し立て、選挙管理委員会を厳しく非難した。
2候補は首都アルジェの憲法裁判所に異議を申し立て、票を数えなおし、選管が公表したデータに差異が生じた原因などを明らかにするよう求めている。
憲法裁は10日以内に判決を下す予定だ。
選管は8日、3候補の得票率を発表。現職のテブン(Abdelmadjid Tebboune)大統領が94.7%で再選を決めた。
しかし、3候補は選管が発表した投票率に衝撃を受け、怒りを爆発させた。
投票した人は登録有権者約2400万人のうち560万人(23.3%)。2019年の投票率39.9%を大きく下回り、過去最低を更新した。選管は7日の投票終了後、投票率を「48%」と発表していた。
憲法裁が2候補の主張を認めれば、選管は票を数えなおすことになる。しかし、テブン氏の勝利は揺るぎそうになく、多くの同盟国首脳がテブン氏に祝電を送っている。
両候補は9日の記者会見で、「選管は投票率の大きな差異と、集計の一部に問題があったことを認め、謝罪すべきだ」と語った。
地元メディアによると、一部の投票所で集計に問題が発生していたという。
両候補の陣営はSNSに、「選管は恥を知るべきであり、これでは戦乱の世に逆戻りだ」と投稿している。
テブン氏も両候補に同調して選管を非難し、集計に問題が発生した理由や投票率が最初の半分以下になった理由を説明するよう求めている。