◎国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある複数の過激派がベナンからナイジェリア北西部に侵入し、拠点を築いている。
ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

オランダのクリンゲンダール国際関係研究所は19日、アフリカ・サハラ砂漠以南のサヘル地域で猛威を振るうイスラム過激派がナイジェリア北西部に定住していると明らかにした。

それによると、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある複数の過激派がベナンからナイジェリア北西部に侵入し、拠点を築いているという。

同研究所はレポートの中で、「アルカイダとつながりのある組織のひとつは昨年、ベナン北部からナイジェリア北西部の国立公園に移住した」と指摘。この国立公園は中部ナイジャ州内、首都アブジャから6時間ほどの位置にある。

この国立公園の近くで生活する男性はAP通信の取材に対し、「陸軍が1年以上前に公園を閉鎖して以来、中に入ったことは一度もない」と語った。

同研究所によると、過激派は公園内に検問所や地雷エリアを設け、治安当局の攻撃に備えている可能性があるという。

別の住民はAPに「あそこに通じる道路に近づくな」と語った。「テロリストは園内でライオンなどの動物を殺し、食料にしているという話を聞いたことがあります...」

同研究所はナイジャ州を含む北中部のベナン国境沿いの治安を「制御不能」と評し、「極めて危険な状態に陥っている」と指摘。「無政府状態であり、手に負えない」と述べた。

また同研究賞は「過激派が国立公園に入り、拠点を築けたということが、ナイジェリアの安全保障が危機に瀕していることを示している」と指摘した。

同国の北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムを含む多くの武装勢力が活動している。

中部プラトー州では先月、複数の集落に正体不明の武装集団が押し入り、住民少なくとも40人を殺害。同州では昨年末にも複数の集落が襲撃を受け、140人以上が殺害されたと伝えられている。

容疑者は捕まっておらず、警察が行方を追っているかどうかも不明である。

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