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アフリカの太陽光ブームがコスト上昇に直面、中国の補助金打ち切り


背景には、中国政府が太陽光パネルの輸出に対する付加価値税(VAT)還付などの補助金を打ち切る方針を決定したことがある。
2016年2月4日/モロッコ中部の太陽光発電所(AP通信)

アフリカで急速に拡大してきた太陽光発電市場において、コスト上昇の懸念が浮上している。背景には、中国政府が太陽光パネルの輸出に対する付加価値税(VAT)還付などの補助金を打ち切る方針を決定したことがある。これにより、中国製機器に大きく依存してきたアフリカの再生可能エネルギー拡大に影響が及ぶ可能性がある。

今回の政策変更は2026年4月から実施され、太陽光パネルの輸出還付が廃止されるほか、蓄電池関連の優遇措置も段階的に縮小される見通しである。これまで中国メーカーは補助金を価格に反映させることで低価格輸出を実現し、世界的な太陽光発電の普及を後押ししてきた。しかし、過当競争により企業収益が圧迫されたことなどから、中国政府は支援の見直しに踏み切った。

アフリカでは電力不足が深刻で、比較的安価な中国製パネルの流入が電化の進展を支えてきた。一方で、輸送費や関税の影響により、同地域の太陽光設備コストはもともと他地域より高い傾向にある。そこに補助金廃止が加わることで、設備価格はさらに上昇するとみられている。専門家は「多くの部材を中国に依存しているため価格上昇は避けられない」と指摘する。

ただし影響は急激ではなく、段階的な値上がりになるとの見方が強い。これまでの価格低下は補助金によって「人工的に安価に抑えられていた側面」があり、その是正により世界的な価格水準が安定するとの分析もある。実際、太陽光パネルの価格は2022年の1ワット当たり約0.25ドルから、2025年には約0.07ドルまで下落、依然として他の電源と比べ競争力は高い。

一方で、より大きな影響が懸念されているのが蓄電池分野である。アフリカでは電力網が未整備な地域が多く、太陽光と蓄電池を組み合わせたオフグリッド電力が重要な役割を果たしている。補助金縮小により蓄電池価格が上昇すれば、地方や低所得層への普及にブレーキがかかる可能性がある。

それでも専門家の多くは、アフリカのエネルギー転換が後退することはないとみている。太陽光は依然として最も安価な発電手段の一つであり、電力需要の増加とともに導入は続く見通しだ。むしろ今回の政策転換は、アフリカ諸国が自国での製造体制を強化し、中国依存からの脱却を図る契機になるとの指摘もある。

急成長を続けてきたアフリカの太陽光市場は新たな局面を迎えた。コスト上昇という逆風の中で、持続的な普及と産業基盤の構築を両立できるかが今後の焦点となる。

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