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アフリカネイションズカップ、隔年から「4年開催」に変更へ

AFCONは1957年の初開催以来、基本的に2年に1度の開催を続けてきた歴史的な大会であり、大会収入はCAF全体の収益の約8割を占める重要な財源となってきた。
アフリカ・ネイションズカップ(AFCON)のトロフィー(Getty Images)

アフリカサッカー連盟(CAF)は20日、アフリカ大陸最高峰の国際大会である「アフリカネイションズカップ(AFCON)」をこれまでの隔年開催から4年開催に変更することを正式に決定した。

この変更は2028年大会以降に適用される方針で、CAFの会長がモロッコの首都ラバトで開かれた実行委員会で明らかにした。今回の決定は世界・国内のサッカーカレンダーとの調整と、クラブと代表チーム間の選手流動性問題への対応が主な目的だとしている。

AFCONは1957年の初開催以来、基本的に2年に1度の開催を続けてきた歴史的な大会であり、大会収入はCAF全体の収益の約8割を占める重要な財源となってきた。しかし、近年は欧州リーグのシーズン中に開催されることが多く、代表呼び出しによるクラブとの軋轢や参加選手の負担が問題視されていた。CAFはこうした状況を踏まえ、開催間隔の拡大と合わせて大会のあり方を抜本的に見直す必要があると判断した。

今回の決定により、現行のAFCONは2025年大会(モロッコ開催)や2027年大会(ケニア、タンザニア、ウガンダ共同開催)など計画中の大会は予定通り実施される。その後、次の大会となる予定だった2029年大会は前倒しして2028年に行われることが示されており、2028年大会をもって4年ごとのサイクルに切り替える方向性が打ち出された。CAFのモツェペ(Patrice Motsepe)会長は「大会の持続可能性と国際サッカーカレンダーへの適合を最優先した」と説明している。

CAFはAFCONの開催間隔変更に伴い、新たな年間大会として「アフリカ・ネイションズリーグ(African Nations League)」を2029年に創設する計画も併せて発表した。このリーグ戦は欧州のUEFAネーションズリーグのような形式を参考に、54のCAF加盟国を地域ごとに分けたリーグ構造で競われ、毎年9月から11月にかけて予選・本戦が実施される見込みだという。

モツェペ氏は「AFCONが4年ごとになっても、アフリカのサッカーは年間を通じて高水準の大会を提供できる」と述べ、このリーグ導入が選手育成や放映権収入拡大につながるとの見通しを示した。

CAFの決定は世界サッカー界にも大きな影響を与える可能性がある。アフリカの主力選手が所属する欧州クラブは従来、AFCON開催時に選手の長期離脱を余儀なくされてきたが、4年ごとの開催に移行することでこの負担が軽減されると期待される。一方で、AFCON自体の魅力や収益性を維持するためには、新たな大会構造や放映権戦略の構築が課題となるとの指摘もある。

CAF関係者は「AFCONはアフリカのサッカー文化の象徴であり続ける」と強調しつつ、「今後は持続可能な大会運営とファンへの魅力提供を両立させることが重要だ」としている。今回の改革はCAFと加盟国、クラブチーム、選手の長期的な利益を考慮した戦略変更と位置付けられ、今後の実施に向けて具体的な日程や開催方式の詳細が詰められる見込みである。

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