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スーダン・ダルフール地方の病院に空爆、64人死亡=WHO


スーダン内戦は双方の権力闘争に端を発し、首都ハルツームを中心に地上戦が各地に広がった。
2023年4月22日/スーダン、首都ハルツーム(Marwan Ali/AP通信)

世界保健機関(WHO)は21日、スーダン西部ダルフール地方の病院が空爆とみられる攻撃を受け、少なくとも64人が死亡したと発表した。このうち13人は子どもで、90人余りが負傷し、病院は機能を失ったと報告された。WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

攻撃を受けたのは東ダルフール州エルダインにある病院で、20日に空爆を受けたとされる。WHOによると、この施設は診療や治療を提供する重要な拠点であったが、攻撃により医療サービスが停止し、地域住民の医療アクセスが深刻な影響を受けている。

WHOは声明で「このような攻撃により病院が使用不能になったことは人道上の重大な損失であり、紛争当事者に対し民間インフラの保護を強く促す」と指摘した。また、戦闘行為によってWHOが記録している医療施設への攻撃による死者数が2000人を超えたと明らかにし、当事者に対して即時の行動制限と民間人保護の徹底を求めた。

病院攻撃の責任をめぐっては、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が国軍による攻撃だと非難している。一方、国軍は関与を否定し、攻撃は病院ではなく付近の警察署を標的としたものであったと主張している。AP通信は軍関係者の話しとして、「エルダインの病院付近で軍事作戦が行われていた」と報じた。

この攻撃は2023年4月に始まった軍事政権とRSFとの内戦が続く中で発生した。紛争は間もなく4年目に突入する見通しで、国連の推計では4万人以上が死亡したとされるが、地元の支援団体は実際の死者数はこれをはるかに上回る可能性があるとみている。

スーダン内戦は双方の権力闘争に端を発し、首都ハルツームを中心に地上戦が各地に広がった。紛争は都市インフラを破壊し、大規模な避難民の発生や食料・医療支援の途絶などの人道危機を引き起こしている。医療施設への攻撃も頻発し、WHOだけでも複数の病院や医療センターへの砲撃・空爆が記録されている。

人道支援団体や国際機関は繰り返し、民間人や医療施設を意図的に攻撃することは国際人道法に違反すると警告してきた。WHOのテドロス氏は声明の中で「あまりに多くの血が流され、十分な苦しみが与えられた。スーダンの戦争を緩和する時が来た」と述べ、紛争の激化を抑えるよう訴えた。

この攻撃は紛争が市民生活に与える深刻な影響を象徴する出来事となった。医療施設の喪失は負傷者や病気の治療を必要とする人々にとって致命的な結果をもたらす可能性があり、国際社会は状況の迅速な改善を求めている。しかし戦闘が続く限り、民間人の安全と基本的な人権が確保される見通しは不透明である。

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