ジブチ沖で移民8人死亡、22人行方不明=国連IOM
ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
.jpg)
アフリカ北東部・ジブチの沖合で密航船から降ろされた移民8人が死亡し、22人が行方不明になっている。国連の専門機関である国際移住機関(IOM)が11日、明らかにした。
それによると、事件はジブチの沖合数百メートル地点で6月5日に発生。人身売買組織とみられる複数人が約150人の移民に泳いで岸に向かうよう命じたという。
IOMのパトロールチームが海岸で移民を発見し、地元当局に通報した。
その後の捜索で8人の遺体が見つかった。
IOMは生存者の話しとして、「少なくとも22人が行方不明になったとみられ、ジブチ当局が捜索している」と明らかにした。
密航船はイエメンに逃亡したとみられる。
ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
IOMによると、このルートは人身売買組織の支配下にあり、女性や子供が標的になっている。男性はイエメンの戦地に送られることもあるという。
イエメンにたどり着いた移民は徒歩でUAE(アラブ首長国連邦)やサウジアラビアを目指す。イエメンから帰国する者は同じルートを逆にたどる。
一部の移民は湾岸諸国を越えて欧州に向かう。
2023年にジブチからイエメンにたどり着いた移民は約9万7200人、21年の3倍に急増した。IOMによると、昨年は6万1000人弱まで減少したという。ジブチ当局はこの海域のパトロールを強化している。
IOMによると、この海域では過去10年間で2000人を超える移民が行方不明になっている。イエメンで生活する移民は38万人と推定されている。