スペイン・カナリア諸島沖で移民船転覆、7人死亡、100人救助
亡くなったのは成人女性4人と少女3人。沿岸警備隊と赤十字の船が人々にロープや救命胴衣を投げ、100人以上を救助した。
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アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島の沖合で移民を乗せた船が転覆し、7人が死亡、100人以上が救助された。スペイン沿岸警備隊が28日、明らかにした。
それによると、亡くなったのは成人女性4人と少女3人。沿岸警備隊と赤十字の船が人々にロープや救命胴衣を投げ、100人以上を救助した。
沿岸警備隊は声明で、「この船は岸から約6マイル(9.6キロ)の地点で発見され、巡視艇が未成年者を移送し始めた後、傾き始めた」と説明した。
また警備隊は「船内は混乱状態で、大勢が巡視艇に乗り込もうとし、バランスを崩し、転覆した」と述べた。
人々の国籍は明らかになっていない。
地元テレビ局が報じた映像には港で手当てを受ける黒人男性が映っていた。
サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた何万人もの移民がアフリカ北西部のモーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアからカナリア諸島を目指し出港する。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、遭難したらまず助からない。
スペイン当局によると、昨年カナリア諸島に到着した移民は約4万7000人、過去最多を更新した。今年は5月中旬時点で約1万800人となっている。
スペインのNGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)」は昨年末、24年1月1日~12月5日までの間に海路でスペインを目指した移民1万457人が死亡または行方不明になったと明らかにした。
カナリア諸島とアフリカ大陸北西部の最短距離はおよそ100キロ。この海域は取り締まりが厳しいため、多くの移民が数日から数週間かかる長旅を試みている。
大半の移民が利用するモーリタニアルートは極めて危険で、700キロ以上の長旅となる。