リビア国営石油公社(NOC)本社を襲撃、3人逮捕=検察

リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは立っていない。
2022年7月14日/リビア、首都トリポリ、国営石油公社(NOC)本館(ロイター通信)

アフリカ北部・リビアの検査当局は29日、首都トリポリにある国営石油公社(NOC)の本社を襲撃したとされる3人の容疑者が逮捕されたと明らかにした。

NOCは国連の承認を受けたドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相の支配下にあるトリポリに本部を置いている。

ドベイバ政権と対立する東部政府のバシャガ(Fathy Bashagha)首相は28日、NOC本社が襲撃されたことを受け、国内の油田と港湾施設を閉鎖する可能性があると警告していた。

バシャガ政権は国内のほとんどの油田を支配下に置く軍閥トップの実力者である元国軍将校のハフタル(Khalifa Haftar)司令官と連携している。

NOCは以前、本社襲撃を偽情報と否定し、「受付で起きた些細なトラブル」と説明。しかし、バシャガ政権はドベイバ陣営が襲撃に関与していると主張し、油田と港湾施設を閉鎖し、NOC本社を支配地域に移転する可能性があると警告した。

検察は声明で、「NOC本社襲撃に関与した3人を逮捕し、事件の経緯を調べている」と述べた。

バシャガ政権はこの発表に関するコメントを出していない。

リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは立っていない。

NOCは28日、過去24時間の国内原油生産量が日量138万9055バレルとなり、通常レベルに戻ったと明らかにした。

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