◎スーダンの首都ハルツームでは軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が続いている。
2023年4月18日/スーダン、首都ハルツーム(Marwan Ali/AP通信)

アフリカ大陸中央部・チャド当局は20日、隣国スーダンの正規軍兵士少なくとも320人がチャド国内に避難したと発表した。

チャド軍政の報道官は20日の記者会見で、「兵士の一団が今週初めに国境を越えた」と語った。

それによると、兵士たちは武器を捨て、助けを求めてきたという。

スーダンの首都ハルツームでは軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が続いている。戦闘は15日に勃発、その後、チャド軍はスーダン国境を封鎖した。

イギリスのリスク評価企業メープルクロフトのアナリストはツイッターに、「RSFは強力な武装勢力であり、正規軍に大打撃を与えているように見える」と投稿している。

別のアナリストは「チャド軍政はスーダン軍兵士を保護したうえで、中立の立場を維持する可能性が高い」と指摘している。「兵士の武装を解いて保護すれば、内戦に巻き込まれる可能性は低いでしょう...」

RSFはスーダン西部ダルフール地方で影響力を強めており、ハルツームの戦闘が内戦に発展するという懸念が高まっている。

メープルクロフトのアナリストは、「チャド軍政はダルフール紛争に巻き込まれたくなく、そこで影響力を強めるRSFの弱体化を望んでいる」と述べている。「チャドはスーダン軍を支持し、RSFに投降を促すでしょう...」

それによると、RSFの司令官であるダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)将軍を支持する部族の多くがチャド国内にも拠点を持っているという。

国連によると、この数日で推定2万人のスーダン人がチャド東部に逃亡した。国境付近にはNGOの難民キャンプが複数ある。

スーダンの人道状況は2021年10月の軍事クーデター以降、悪化の一途をたどっている。国連によると、スーダンの難民キャンプでは隣国ニジェール、カメルーン、中央アフリカ共和国の難民推定60万人も生活しているという。

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