▽北ダルフール州エルファーシル近郊の難民キャンプとその周辺の戦闘が激化し、多くの民間人が巻き込まれ、40万人以上が避難を余儀なくされた。
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国連は14日、アフリカ北東部・スーダンの北ダルフール州の戦闘で民間人300人以上が殺害されたと明らかにした。
それによると、北ダルフール州エルファーシル近郊の難民キャンプとその周辺の戦闘が激化し、多くの民間人が巻き込まれ、40万人以上が避難を余儀なくされたという。
国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は記者団に対し、「この中には難民キャンプで人道支援に当たっていた職員10人も含まれている」と述べ、スーダン軍政に調査を要請した。
軍政はコメントを出していない。
準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は13日、この難民キャンプを掌握したと明らかにしていた。
この難民キャンプでは首都ハルツームの戦闘から逃れた市民など、約70万人が生活している。
人権団体は国軍とRSFの戦闘で多くのテント、市場、医療施設が被害を受けたと報告。RSFの波状攻撃は10日から12日まで続いたとされる。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはダルフールの大部分を掌握。エルファーシルで国軍とその同盟組織を包囲し、激戦を繰り広げている。