▽スファックスの海岸とイタリア南部ランペドゥーサ島は130キロほどしか離れていない。
アフリカ北部・チュニジア沖で移民を乗せた2隻のボートが転覆し、女性や子供を含む少なくとも27人が死亡、83人が救助された。沿岸警備隊が2日、明らかにした。
それによると、ボートは東部スファックスの沖合で転覆したという。
沿岸警備隊の担当者はAFP通信の取材に対し、「2隻のボートは12月31日夜から1月1日にかけて、スファックスの港を離れ、イタリアに向かおうとした」と語った。
スファックスの海岸とイタリア南部ランペドゥーサ島は130キロほどしか離れていない。
沿岸警備隊によると、死者の中には生後間もない乳児も含まれているという。
スファックスの自治体は2日の声明で、「犠牲者と救助された人々は全員、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国出身である」と明らかにした。
それによると、救助された83人のうち15人が病院に搬送され、手当てを受けているという。遺体は警察に引き渡された。
沿岸警備隊は生存者の話しから、行方不明になった人がいるとみて、現場海域を捜索している。
アフリカ北部のチュニジアとリビアに拠点を置く人身売買組織はサハラ砂漠以南の紛争地などから逃れた移民を集め、ボロボロの木造船やゴムボートに乗せ出港させている。
チュニジア沿岸警備隊は昨年末、2つの移民船事故で死亡した30人の遺体をスファックスの海岸などで収容した。