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武装勢力が集落襲撃、25人殺害 コンゴ・イトゥリ州

地元の人権団体はAP通信の取材に対し、ISIS系組織である「民主同盟軍(ADF)」の犯行、「恐ろしい虐殺」と語った。
2020年9月18日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州郊外の村(Getty-Images/AFP通信)

コンゴ民主共和国・北東部イトゥリ州で武装勢力が集落を襲撃し、少なくとも25人が死亡した。地元当局が25日、明らかにした。それによると、事件は25日の午前4時ごろに複数の集落で発生。住民らが眠っている時間を狙ったとみられる。被害者の多くは民間人で、男性15人が家屋内で焼き殺され、7人が射殺された。さらに集落の外れで3人の死亡も確認され、犠牲者数はさらに増える可能性があるという。

地元の人権団体はAP通信の取材に対し、ISIS系組織である「民主同盟軍(ADF)」の犯行、「恐ろしい虐殺」と語った。ADFは声明を出していない。

ADFはウガンダで発足、1990年代から活動を続け、近年は「イスラム国中央アフリカ州(ISCAP)」に忠誠を誓っているとみられている。ADFは長年にわたりコンゴ東部で民間人を標的にした残虐な攻撃を繰り返してきたが、近年は活動が一層激化し、他の反乱グループや地域の不安定な治安状況と相まって住民への脅威が増している。

今回の事件は近年相次ぐADFによる致命的な襲撃の最新例であり、過去にも同組織は教会や集落、病院などを標的にして多数の民間人を殺害してきた。2025年7月にはイトゥリ州の教会を襲撃、数十人をナタや斧で切り殺した。

コンゴ東部は長年にわたって複数の武装勢力が入り乱れる紛争地帯となっている。ADFのほかにも、ルワンダ政府の支持を受ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」などが地域の支配権を巡って戦闘を続けており、国軍やMONUSCO(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション)との衝突も頻発している。このため何百万人もの市民が避難を余儀なくされ、地域全体が慢性的な人道危機に直面している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、コンゴ東部では600万~700万人規模の国内避難民が存在し、基本物資が慢性的に不足するなど、深刻な状況が続いている。

コンゴ政府はこれまでADFやその他武装勢力に対して軍事作戦を展開してきたものの、広大な森林地帯に分散する反乱軍の封じ込めに苦戦している。また、隣国ウガンダと共同で治安対策を進める試みも行われているが、地域住民の安全確保には至っていない。国際社会からは武装勢力の攻撃を非難する声が上がる一方で、地元住民の保護と紛争の根本的解決に向けた具体的な支援策が求められている。

民間人を狙った襲撃が繰り返されるなか、地域の緊張は高まっており、被害者の遺族や人権団体は暴力の連鎖を断ち切るための国際的な圧力と行動の強化を訴えている。今回の攻撃はコンゴ東部の不安定な治安情勢が依然として改善されていないことを示すもので、さらなる犠牲者を出さないための具体的な対策が急務となっている。

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