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23人の子供が栄養失調により死亡 スーダン・コルドファン地域

国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の激しい戦闘が続くコルドファン地域で10月20日から11月20日にかけて、少なくとも23人の子供が栄養失調により死亡した。
2025年11月16日/スーダン北部の避難民キャンプ(AP通信)

アフリカ北東部・スーダンの紛争地域で過去1カ月間に20人余りの子供が栄養失調により死亡した。人権団体「スーダン医師中央委員会」が22日、明らかにした。

それによると、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の激しい戦闘が続くコルドファン地域で10月20日から11月20日にかけて、少なくとも23人の子供が栄養失調により死亡したという。

軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

スーダン医師中央委員会によると、RSFに包囲されているコルドファンの2つの町で栄養失調が拡大しているという。

同委員会は声明で、「コルドファンにおける重度の急性栄養失調は必需物資の不足が原因」と表明。同地域では封鎖により「食料や医薬品の搬入が阻まれ、数千人の民間人の命が危険に晒されている」と指摘した。

国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会は今月初め、ダルフールとコルドファンで「飢きん」が発生していると宣言した。

IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。

RSFはダルフール最後の軍政拠点エルファーシルを制圧し、コルドファンに進攻。国軍への攻撃を続けている。

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