▽WFPによると、25年4~6月の雨量は平均以下と予想され、次の収穫サイクルに深刻な影響を与える可能性が高いという。
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国連世界食糧計画(WFP)は4日、アフリカ東部・ソマリアで干ばつが続き、今後数カ月でさらに100万人が危機的レベルの飢餓に直面する可能性があると警告した。
WFPの食料安全保障・栄養分析を担当するバウアー(Jean-Martin Bauer)氏は声明で、「国際社会の支援削減により、この数字はさらに増える可能性がある」と述べた。
国連によると、ソマリアでは3年前、雨季にほとんど雨が降らず、過去40年で最悪レベルの干ばつが発生し、少なくとも4万3000人が栄養失調などにより死亡したという。
バウアー氏はソマリアの現状について、「現在約340万人が深刻な食糧不安に直面している」と指摘した。これは総合的食料安全保障レベル分類(IPC)のフェーズ3以上を指す。
フェーズ3は危機レベルの飢餓と定義され、フェーズ4は緊急事態、フェーズ5は大災害または飢饉とみなされる。
WFPによると、25年4~6月の雨量は平均以下と予想され、次の収穫サイクルに深刻な影響を与える可能性が高いという。
バウアー氏は「25年12月までに5歳未満の児童170万人が急性栄養失調に直面する恐れがある」と指摘。そのうち46万6000人が深刻な急性栄養失調で命の危機にさらされると警告した。
またバウアー氏はWFPの支援プログラムが資金不足で立ち行かなくなるとし、現在は22年のピーク時の220万人に対し、約82万人にしか支援を提供できていないと述べた。
国連は2年前、ソマリアで進行中の未曽有の干ばつにより、22年に4万3000人もの市民が死亡し、そのおよそ半数が5歳以下の児童と推定されると報告していた。