ケニアで警察に抗議するデモ激化、16人死亡、61人逮捕
暴徒は店舗を略奪したり、複数の民家や車に火を放った。
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アフリカ東部・ケニアの首都ナイロビなどで警察に抗議するデモが暴動に発展し、少なくとも16人が死亡、400人以上が負傷した。現地メディアが25日に報じた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは声明で、犠牲者の大半が警察官に殺害されたと非難した。
ロイター通信によると、ナイロビの暴徒は店舗を略奪したり、複数の民家や車に火を放ったという。
警察は実弾、ゴム弾、催涙ガス、放水砲を使って暴徒を追い払い、少なくとも61人を逮捕した。
ナイロビでは3週間ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。
オンラインメディアなどに記事を投稿していたアルバート・オワンガ(Albert Ojwang、31歳)さんは2週間前、ナイロビ中央警察署に連行された後、死亡した。
警察は当初、オワンガさんが留置場内で自殺したと主張していたが、その後謝罪し、捜査を開始したと明らかにした。
オワンガさんは6日、西部のビクトリア湖近くの町で逮捕され、ナイロビに連行された。
警察は逮捕の理由について、「オワンガさんがソーシャルメディアで警察幹部に関する虚偽の情報を拡散した」と説明していた。
事件を調査する独立警察監視機関(IPOA)は13日、解剖の結果、オワンガさんが暴行を受けた可能性が高いと指摘。同署の幹部らを逮捕したと明らかにした。
地元メディアによると、25日のナイロビのデモには数千人が参加し、その大半が平和的に市内を行進して警察に抗議したという。
その後、一部のデモ参加者と警察が衝突。アムネスティは午前の時点で16人の死亡が確認されたと報告している。
それによると、16人のうち少なくとも5人が銃撃により死亡したという。
IPOAも全国で死傷者が出ていることを確認した。
国家警察はコメントを出していない。
ナイロビのケニヤッタ国立病院には数十人の負傷者が搬送された。
国営電力会社は25日、本社をパトロール中の警備員1人が暴徒に射殺されたと明らかにした。
ケニアでこのような暴動は珍しくなく、昨年6月にはルト政権に抗議するデモが激化し、60人以上が殺害され、数十人が今も消息不明のままである。
この抗議は政府与党の増税法案が国会で可決されたことで激化。デモ隊が国会議事堂に突入するなど、1カ月以上にわたって混乱が続いた。