ケニアで警察に抗議するデモ激化、16人死亡、61人逮捕

暴徒は店舗を略奪したり、複数の民家や車に火を放った。
2025年6月25日/ケニア、首都ナイロビ、デモ隊に向けた放水砲を発射する警察の装甲車(ロイター通信)

アフリカ東部・ケニアの首都ナイロビなどで警察に抗議するデモが暴動に発展し、少なくとも16人が死亡、400人以上が負傷した。現地メディアが25日に報じた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは声明で、犠牲者の大半が警察官に殺害されたと非難した。

ロイター通信によると、ナイロビの暴徒は店舗を略奪したり、複数の民家や車に火を放ったという。

警察は実弾、ゴム弾、催涙ガス、放水砲を使って暴徒を追い払い、少なくとも61人を逮捕した。

ナイロビでは3週間ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。

オンラインメディアなどに記事を投稿していたアルバート・オワンガ(Albert Ojwang、31歳)さんは2週間前、ナイロビ中央警察署に連行された後、死亡した。

警察は当初、オワンガさんが留置場内で自殺したと主張していたが、その後謝罪し、捜査を開始したと明らかにした。

オワンガさんは6日、西部のビクトリア湖近くの町で逮捕され、ナイロビに連行された。

警察は逮捕の理由について、「オワンガさんがソーシャルメディアで警察幹部に関する虚偽の情報を拡散した」と説明していた。

事件を調査する独立警察監視機関(IPOA)は13日、解剖の結果、オワンガさんが暴行を受けた可能性が高いと指摘。同署の幹部らを逮捕したと明らかにした。

地元メディアによると、25日のナイロビのデモには数千人が参加し、その大半が平和的に市内を行進して警察に抗議したという。

その後、一部のデモ参加者と警察が衝突。アムネスティは午前の時点で16人の死亡が確認されたと報告している。

それによると、16人のうち少なくとも5人が銃撃により死亡したという。

IPOAも全国で死傷者が出ていることを確認した。

国家警察はコメントを出していない。

ナイロビのケニヤッタ国立病院には数十人の負傷者が搬送された。

国営電力会社は25日、本社をパトロール中の警備員1人が暴徒に射殺されたと明らかにした。

ケニアでこのような暴動は珍しくなく、昨年6月にはルト政権に抗議するデモが激化し、60人以上が殺害され、数十人が今も消息不明のままである。

この抗議は政府与党の増税法案が国会で可決されたことで激化。デモ隊が国会議事堂に突入するなど、1カ月以上にわたって混乱が続いた。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします