SHARE:

反政府勢力が集落襲撃、169人殺害 南スーダン

今回の襲撃は国軍と反政府勢力の対立が激化する中で起きたものであり、南スーダン国内の緊張と暴力の拡大を象徴する事件となっている。
南スーダンの難民キャンプ(Getty Images)

南スーダンの辺境地域にある集落に反政府勢力が押し入り、少なくとも169人が殺害された。地元当局が2日、明らかにした。それによると、事件はルウェン行政区の郊外で1日に発生。女性や子どもを含む多数の住民や戦闘員が犠牲になったという。

AP通信は当局者の話しとして、「犠牲者のうち90人が民間人で、テロリストに対抗した多くの戦闘員も殺害された」と伝えている。また、1000人以上の住民が襲撃を逃れて国連南スーダン派遣団(UNMISS)の基地に避難し、23人が手当てを受けたという。

UNMISSは声明で「このような暴力は民間人を深刻な危険にさらし、直ちに停止されなければならない」と強く非難し、関係者に対して暴力の即時停止と建設的な対話の開始を呼びかけた。

行政区の責任者は襲撃が統制された軍事作戦であったと指摘し、「ホワイトアーミー」と呼ばれる民兵や、マシャール(Riek Machar)副大統領率いる人民解放軍(SPLA)に近い勢力が関与したと非難した。また責任者はこれを「反逆行為」と表現したが、マシャール氏側の勢力は声明で同地域に軍事部隊を配備していないとして関与を否定している。

今回の襲撃は国軍と反政府勢力の対立が激化する中で起きたものであり、南スーダン国内の緊張と暴力の拡大を象徴する事件となっている。同国では2018年に5年間続いた内戦を終結させる和平合意が締結され、この合意のもとでマシャール氏は第一副大統領に就任したが、その後も政治的対立と権力闘争が続いている。和平合意は脆弱なままで、合意の履行が遅れていることが治安悪化と衝突の一因になっているとの指摘がある。

専門家や国際機関は現在の暴力の再燃が南スーダンの不安定な政治状況と結びついていると分析している。国軍とマシャール派の対立は表面化しており、特に首都ジュバを中心に政治的対立が続く中で衝突が全国各地に波及しているという。加えて、和平合意に基づく権力共有の仕組みが断片的にしか機能していないことが内戦前の緊張を再燃させているとの見方もある。

国際社会は南スーダンの状況を深刻に受け止め、国連や主要国は対話の再開と衝突の即時停止を促している。また、避難民への人道支援の必要性も強調されている。市民の安全確保と和平プロセスの再活性化が急務となっている状況で、この地域の安定化には関係者間の説得力ある合意形成が欠かせない。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします