◎スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の停戦協定は全く機能せず、戦闘は3週目に突入した。
2023年4月30日/ソマリア、首都モガディシオの空港、エチオピア経由でスーダンから避難した人々(Farah Abdi Warsameh/AP通信)

ソマリア政府は30日、戦闘が続くスーダンから自国民148人が帰国したと発表した。

外務省の報道官によると、学生を中心とする148人がエチオピア経由で首都モガディシオの空港に到着したという。

報道官は声明で、「国際移住機関(IOM)の支援により、本日、148人をスーダンから連れ戻すことができた」と述べている。

人々はスーダンから陸路でエチオピアに入り、その後、空路でモガディシオに移動した。

ソマリアは長年にわたり、イスラム過激派の暴力に悩まされてきた。国際テロ組織アルカイダとつながりのあるアルシャバーブと政府は戦争状態にあり、多くの市民がスーダンを含む近隣諸国に避難している。

モガディシオの空港でAP通信の取材に応じた男性は「生きて戻れたことを嬉しく思う」と語った。

3週間前に首都ハルツームで戦闘が発生する前、スーダンでは推定7000人のソマリア人が生活していた。IOMによると、その大半が学生で、卒業後は欧州への移住を希望する人が多いという。

スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の停戦協定は全く機能せず、戦闘は3週目に突入。各国政府は外交官や自国民の退避を急いでいる。

ハルツームや第2の都市オムドゥルマンの市民数十万人が銃撃戦に巻き込まれ、数万人が隣国チャドやエジプトに避難した。

現地メディアによると、銃撃戦が報告された都市部で避難を希望する人は数万人にのぼるという。ハルツームでは戦闘の影響で食料を含む生活必需品が不足している。

人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、一連の戦闘による死者は確認できているだけで600人近くに達し、5000人近くが負傷したという。多くの専門家が実際の死傷者数はこれよりはるかに多いと指摘している。

スーダン保健省は30日、これまでに戦闘員を含む528人の死亡を確認し、負傷者数は4500人に達したと発表した。

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