米政府、10人の不法移民をエスワティニ王国に送還
トランプ政権における不法移民送還政策は、過激な拡張をめざす強硬路線が目立つ。
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米国から強制送還された不法移民10人が6日、アフリカ南部・エスワティニ王国に到着した。現地メディアが報じた。
トランプ政権は7月以降、エスティワニや南スーダンなど、少なくとも5つのアフリカ諸国と契約を結び、40人以上の移民を送還してきた。
人権団体はこれを「非人道的」と非難しているが、トランプ政権はビザ(査証)やパスポートなどを持たない不法滞在者の追放を継続すると誓っている。
AP通信は弁護士の話しとして、「10人を乗せた貨物機はルイジアナ州アレクサンドリアを出発後、プエルトリコ、セネガル、アンゴラを経由してエスティワニ王国に到着した」と伝えている。
エスワティニ政府は声明で、10人の送還者が到着し。国内の矯正施設の一つに収容されたと明らかにした。
10人の身元、国籍、性別、収容場所などは明らかになっていない。
トランプ政権における不法移民送還政策は、過激な拡張をめざす強硬路線が目立つ。政権は当初から年間100万人規模の送還を目標とし、従来よりも大幅な強化を掲げた。
中心政策の一つが「迅速送還」制度の大幅拡大である。これは、不法入国者あるいは入国から短期間で逮捕された者を、裁判を経ずに即時送還できる制度であるが、第二次政権下ではその適用範囲を国内各地まで拡大する方針が打ち出されている。
また、地方自治体や州レベルの捜査機関を移民逮捕に協力させる「287(g)協定」を活用し、捜査機関を事実上移民取締り機能に巻き込もうとする動きも見られる。
感度の高い場所(学校、病院、教会など)での逮捕を原則禁止してきた従来のガイドラインも撤回され、これらの場での取締りも許容される制度設計がなされようとしている。
そのほか、トランプ政権はパロール制度(一定条件下で米国内への入国・滞在を認められる制度)や一時的保護ステータス(TPS)といった保護措置を廃止または縮小する計画を掲げており、これらの措置の終了を通じて対象層を送還対象へ振り向けようとする意図がみられる。
ただし、こうした構想には司法的制約や実務上の困難が多く、目標通りの送還数を実現できるかどうかには疑問が残る。
