◎首都マプトを含むいくつかの都市では暴動が起き、警察が催涙ガスやゴム弾を使用した。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は25日、アフリカ南東部・モザンビークの治安部隊が大統領選の結果に抗議するデモを武力で鎮圧し、少なくとも10人の子供が死亡したと明らかにした。
先月初めに行われた大統領選は与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)氏が得票率70%で勝利。野党は不正があったとして抗議デモを行うよう呼びかけている。
選挙で2位となったモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏は逮捕される恐れがあるとして、国外に逃亡した。
HRWによると、結果が1ヶ月前に発表されて以来、何百人もの未成年者が治安部隊に拘束され、そのうちの何人かは国際法に違反して何日も勾留されたという。
欧州の選挙監視団は複数の不正が確認されたと報告しているが、FRELIMOはこれを否定し、選挙管理委員会も結果を認定した。
治安当局はデモの死傷者や逮捕者数を公表していない。
首都マプトを含むいくつかの都市では暴動が起き、警察が催涙ガスやゴム弾を使用した。
シャポ氏は先月24日に勝利を宣言。ニュシ(Filipe Nyusi)大統領の跡を継ぐことが決まった
FRELIMOは独立時に政権を握り、その後、モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)と15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。
FRELIMOは過去にも不正選挙でしばしば非難されてきた。昨年の地方議会選後にも激しい抗議デモが起きている。
10月18日には野党幹部2人が何者かに殺害される事件が発生。野党はFRELIMOが関与していると主張し、マプトや他の都市で暴動が起きた。
シャポ氏は来年1月に就任する予定だ。