武装集団が集落襲撃、100人殺害 ナイジェリア中部

ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。
ナイジェリア、中部ベヌエ州、陸軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは14日、アフリカ西部・ナイジェリア中部ベヌエ州の集落に正体不明の武装集団が押し入り、少なくとも100人を殺害したと明らかにした。

それによると、事件は同州グマ地区の集落で13日から14日にかけて発生。イスラム過激派とみられる武装勢力が住民を虐殺し、数十人を誘拐した。

アムネスティはフェイスブックへの投稿で、「この襲撃で数百人が負傷し、適切な医療を受けられずにいる」と述べた。

またアムネスティは武装集団が多くの建物に火を放ち、家畜を略奪し、女性と子供を連れ去ったと非難した。

X(旧ツイッター)で拡散した動画には人間の頭部を地面に並べた後、ひとつずつ蹴り飛ばす男の姿が映っていた。

州警察の報道官はAP通信の取材に対し、事件が発生したことを認識していると述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

犯行声明を出した組織は確認されていない。

ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。

ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつであり、その影響力は拡大し続け、隣国のニジェール、チャド、カメルーンでも猛威を振るっている。

中央政府とボコ・ハラムは戦争状態にあり、10数年にわたる戦いで3万5000人以上が死亡、260万人以上が住居を失ったと推定されている。

ベヌエ州では先月、武装集団が集落を襲撃し、少なくとも20人が死亡。4月にも同様の事件で少なくとも56人が殺害されている。

隣のプラトー州では4月、イスラム過激派とみられる武装兵が50人以上を処刑した。

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