◎M痘(エムポックス)は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
2024年9月1日/コンゴ民主共和国、首都キンシャサのWHO医療テント(Getty Images)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国にM痘(エムポックス)ワクチンの第一陣、10万回分が到着した。同政府が5日、明らかにした。

それによると、このワクチンはEUの執行機関である欧州委員会のHERA(欧州保健緊急事態準備・対応局)から送られたもので、7日にはさらに10万回分が届く予定。

保健省は声明で、「ユニセフがこのワクチンを最も影響を受けている地域に展開し、接種キャンペーンを行う」と述べたが、接種開始時期は明らかにしなかった。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)の責任者は先週の記者会見で、「EUや米国などの西側パートナーが約38万人分のM痘ワクチンを約束している」と述べていた。

WHOはコンゴの大流行を抑えるためには300万回分のワクチンが必要と呼びかけている。

保健省によると、今年確認された全国のM痘感染者は2万人超。死亡者数は629人。感染者の大半が15歳以下の子供である。

2022年の世界的な流行後、裕福な国々は備蓄していたワクチンや治療薬で迅速に対応。しかし、アフリカには各国政府の要請にもかかわらず、わずかな量しか届かなかった。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク